折々に思うこと その23
新年明けましておめでとうございます。
年末年始はいかがお過ごしだったでしょうか。
慌ただしい中にも、ご家族そろって穏やかな新年を祝われたことと存じます。
今さらながら、昨年元日の能登地方の大地震、2日の日航機と海上自衛隊機の衝突事故を思い出してしまいます。
私事で恐縮ですが、昨年末は珍しく我が家の大掃除に励みました。
たまに掃除機をかけるぐらいしかしない私が、今回は家の内・外をよく磨きました。
浴室、トイレ、台所、階段、1階と2階の窓と網戸、玄関、フローリングへのモップ掛け等、家自体がもう古いのでピカピカになったというとやや語弊がありますが、よく磨かれ、それなりになった我が家を見るのは気持ちのよいものです。
おかげ様で、かなりいい気分で新年を迎えることができました。
これも私事で恐縮ですが、3日には、かつて中学校で受け持った生徒達の同窓会があり、案内を頂いていたので参加しました。
その生徒達は年齢55歳。
40年前、彼らが中学3年生の時に受け持った教え子たちです。
そのとき私は30歳。
この学年は飛び込みで入ったので、最初は生徒を全く知らず不安がありました。
「果たして1年間で彼らと気持ちが通じるだろうか」といった不安です。
しかし、全体的に明るく、人懐こい子が多く、私の不安は1か月もしないうちに吹き飛びました。
私も若かったので、授業以外の場では「ため口」も許し、放課後は対話の花が咲いたものです。
この学年は、活気があり、結束も強く、5年ごとに必ず同窓会があるのです。
今回で6回目でしょうか。
卒業以来40年が経過していますから、5クラス225名の同級生たちの追跡調査(現住所・連絡先等)も大変だろうと思いますが、ほぼ半数ほどは連絡がつきましたと幹事長の子が言っていました。
55歳。
もういいおじさん、おばさんです。私が席に座ると、すぐ何人かの子が近寄ってきてくれました。
気の置けない話の中で、子ども達の顔を見ると、「みんなそれなりの人生を歩んできたんだ」ということがよく分かります。
集まった50名近くの子達の人生がこれまですべて順風満帆だった訳ではないでしょう。
そんなことはあり得ないですよね。
仕事、付き合い、昇進、結婚、家庭、子育て、親の世話等々いろいろあったであろうことが、彼らの顔にやはり出ているのです。
私はできるだけ彼らの話を聞くことに努め、心の中で「よく頑張ったな」、「よく頑張っているな」とエールを送りました。
あっという間に時間は過ぎ、楽しいひと時を過ごすことができた肩の凝らない同窓会でした。
また5年後です。
次は彼らの還暦を私が盛大に祝ってやろうと考えています。
私がその時まで生きていれば。‥‥‥「れば・たら」は止めておきましょう。
最後に、写真家の 土門 拳(どもん けん)さんという方の残された言葉をご紹介します。
気力は、眼に出る。
生活は、顔色に出る。
教養は、声に出る。
さらに、秘められた感情は口の回りに、年齢や悲しみは後ろ姿に出る。
なるほど、伏せておきたいものに限って自分には見えないまま、他人の目にさらされる。なんと無防備なことだ。
ただ、本人が欠点だと思っているところが、実は案外、唯一の魅力だったりする。
今日は、このあたりで失礼します。