【第6回】親子関係がグッと良くなる!「言葉の工夫」とリスペクト(親野智可等先生講演会より)

最終回は、子どもの自己肯定感を高め、親子の信頼関係を強くするための「言葉の工夫」についてお届けします。親の言葉は、子どもにとって一番大きな環境です。

責める言葉から「先に褒める言葉」へ

「なんでしないの!」という否定的な言葉は子どもの心を閉ざし、逆効果になります。「〜するといいよ」と伝えるか、「先に褒める(先褒め効果)」を意識しましょう。

  • 【部分に注目して褒める】 書き取りで汚い字があっても、偶然上手に書けた一文字だけを見つけて「この字はバランスがいいね!」と褒める。絵なら「この鳥の羽がかっこいいね」と部分を褒める。たくさん褒めた後に「じゃあ、この字だけ直そうか」と言うと、喜んで直します。
  • 【場面に注目して褒める】 兄弟が並んでテレビを見ているだけの「当たり前の平和な瞬間」に、「二人とも仲良しだね、お母さん嬉しいな」と声をかける。肯定的な言葉をかけられることで、子どもは「僕たちは仲が良いんだ」という良い自己イメージ(設計図)を持つようになります。ご飯をこぼさず綺麗に食べられたときに「綺麗に食べられたね、助かるよ」と言うのも効果的です。
  • 【選択肢で選ばせる】 「遊んでからお風呂に入る?入ってから遊ぶ?」「水鉄砲とクッション、どっちでお風呂で遊ぶ?」など、自分で選ばせることで責任感が生まれ、行動に移しやすくなります。

「共感」と「安易な同調」を区別する

子どもが困っているときや感情を爆発させたときは、まず「共感」して、心の中に溜まった思いをすべて吐き出させてあげましょう。 例えば、弟を叩いてしまったお兄ちゃんに「悔しかったね、嫌だったね」とトコトン共感して話を聞くと、親子の信頼関係(ラポール)が形成され、子どもは落ち着いて「次はどうすればいいか」を自分で考えられるようになります。

ただし、共感しつつもダメなものはダメと伝える姿勢が必要です(Yes, Yes, Butの精神)。 歯医者で「帰りたーい!」と泣く子に「そうだね、待ちくたびれたよね」と共感はしても、本当に帰ってしまったり、年齢制限のある遊具で「遊びたい!」と言われて勝手に遊ばせてしまうのは、共感を通り越した「安易な同調」です。

人間同士としての「リスペクト」

家で親にたくさん助けてもらい、大切にされている子は、学校でリコーダーをなくして困っている友達がいたとき、自然と「一緒に探そう」と手を差し伸べられる優しい子に育ちます(いつも助けられているからこそ、人を助けられるのです)。

子どもを「どうせ子どもだから」と扱わず、北欧やオランダの教育のように、3歳児であっても目線を合わせ、1人の人間としてリスペクトして接してみましょう。リスペクトには返報性(お返し)があります。親が子どもをリスペクトすれば、子どもも親をリスペクトするようになり、その期待に応えようと精神的に大きく成長していきます。

今日からできること 夜寝る前に、子どもの存在そのものを丸ごと肯定する言葉をかけてあげてください。 「大好きだよ」「生まれてきてくれてありがとう」「パパとママの宝物だよ」 ハグをしたり、マッサージ(タッチケア)をしながら伝えることで、子どもの心に安心感がしっかりと根付きます。

親野 智可等 先生 講演より