子どもの「安心」と「挑戦」を育むために

 保護者の皆様、いつも園の教育・保育へのあたたかいご理解とご協力をいただき、ありがとうございます。
 先日、私立幼稚園の研修大会にて、東京大学の遠藤利彦教授による「アタッチメント(愛着)」についての貴重な講演を聴いてまいりました。ご家庭での子育てにも深くつながる大切なお話でしたので、ブログで少し共有させていただきます。

 「愛着(アタッチメント)」と聞くと、「常に愛情を与え続けなければいけない」「甘えさせると自立が遅れるのでは」と思われがちですが、実はそうではありません。研究データでも示されているのですが、「いざという時にしっかり受け止めてもらえる」という安心感(アタッチメント)が育っている子どもほど、かえって早く一人立ちし、自立心が育ちやすいことが分かっています。大切なのは、四六時中ベッタリと一緒にいることではなく、子どもが「不安になったとき」「怖くなったとき」「感情が崩れてしまったとき」に、一番近くにいる大人がしっかりと寄り添うことです。

 泣いたりパニックになったりしたときに大人に受け止めてもらい、「あぁ、もう大丈夫だ」と気持ちを立て直す。この「安心できた体験」の積み重ねがあるからこそ、子どもは安心して外の世界へ踏み出し、自分一人で挑戦できるようになります。

💡 ご家庭でできる「3つの関わりヒント」

  1. SOSのときに「もう大丈夫」を作ってあげる
     子どもが転んで泣いたとき、不安で甘えてきたときは、心のエネルギー補給のサインです。ぎゅっと抱きしめたり言葉をかけたりして、子ども自身が「もう大丈夫!」と笑顔を取り戻せるまで寄り添ってあげてください。
  2. 何もないときは「先回り」せず、温かく見守る
     特別な問題がなく一人で落ち着いて遊べているときは、常にかまい続ける必要はありません。先回りして手を出しすぎず、少し離れた場所から「応援団」のように温かく見守りましょう。
  3. 子育てを一人で抱え込まない
     子どもの感情を受け止める大人(安心の基地)は、おうちの方だけである必要はありません。ヒトは本来、みんなで子どもを育てる生き物です。園の先生や周りの大人を頼りながら、チームで子どもを包み込んでいきましょう。

 子どもたちは「SOSを出して受け止めてもらうことで安心する」と「自分の足で外に飛び出す(自立)」を何度も行き来しながら、たくましく育っていきます。

 ご家庭と園が共に、子どもたちがいつでも戻ってこられる「安心の基地」となれるよう、これからもあたたかく寄り添ってまいりたいと思います。