折々に思うこと その19

 厳しかった残暑も一息ついたというところでしょうか。
朝晩の涼しさにほっとします。
夜のしじまから聞こえてくる虫達のすだく音も、秋の訪れを感じさせます。皆さん、酷暑が続いた夏の疲れはとれましたか。

 2学期が始まって早1か月が過ぎました。
「実りの秋」を期して、園の活動も少しずつ軌道に乗ってきたところです。
先月の11日には、「敬老の日」を前に、年中さんと年長さんたちが、自分達のおじいちゃん、おばあちゃん宛に書いたお便りを近くのポストまで投函に行きました。

 年中さんは、ハガキにフィンガーペインティングで模様を描き、言葉を添えました。
ハガキの文面をちょっと覗くと「いつもありがとう、だいすきだよ」、「おじいちゃん、おばあちゃん、おげんきでね」などなど。
年長さんは、封書で、中にお手紙と手作りのしおりを入れました。
遠くは、宮城県に出している子もいました。

 投函から5日ほど経って、私宛に、ある年長さんのお祖母ちゃんからお手紙が届きました。
中身を紹介させていただきます。
『暑い日が続いております。9月13日に幼稚園から孫の手紙が届きました。心のこもった写真付きのしおりやお便り等、すばらしい教育活動をしていただいている様子がよく分かりました。2人の孫がお世話になり、立派な園教育に感謝しております。ありがとうございます』
かわいいお孫さんのお手紙に感激されて、すぐに筆を執られたのでしょう。
年中さん、年長さん合わせて約60通のお便りが、至るところで、おじいちゃん、おばあちゃんの心を温かくしてくれたことと思います。
5年前から始めたこの活動、これからもできるだけ続けていきたいと思います。

 以前にも書いたと思いますが、我が園では10月の下旬に芋掘りを行っています。
そのために、5月から順次、園から少し離れた所にある畑を耕し、肥料をやり、畝(うね)を作って、苗を植え、雑草を取りながら成長を見守ります。
真夏の雑草取りは本当にたいへんです。
6月の初旬に苗を植えましたが、その際20本ほど苗が余りました。
捨てるのももったいないと思い、私は余った苗をわが家へ持ち帰りました。
さてどうしたものか?じゃあ我が家で育ててみるか。
しかし我が家の「猫の額」ほどの庭には、苗を植えるスペースなどありません。
そこで、近くのホームセンターに出かけ、大きめのプランターを3個、腐葉土も3袋買って、即席の芋畑を作りました。

 プランターに腐葉土を敷き詰め、持ち帰った苗を植えて、上から水をまきました。
初めての経験です。
「さて、育つかな」。できることは、毎日たっぷり水をやることだけです。
やがて苗は大きく育ち、青々と葉を茂らせましたが、8月の終わり頃、あまりの暑さのせいでしょうか、緑色だった葉が黄色くなりかけています。

 これはいかんと、プランターを、午後は日陰になる場所に移し、肥料をやり、朝夕欠かさず水やりをして、様子を見守りました。
その結果、2週間ほどすると、葉は濃い緑色を取り戻し、今が盛りと生い茂っています。
芋づくりのベテランである理事長さんからは「野菜作りは、毎年工夫・改良の連続ですよ」と指導をいただいています。

 野菜作りをすると、育ちゆく野菜が本当にいとおしくなると聞いたことがありますが、今、その気持ちを少し味わっています。
10月の終わりにどのくらい大きくなったお芋が採れるのか楽しみに待ちたいと思います。
我が園の子ども達も、即席の芋畑で生い茂っている目の前の葉のように、長い2学期を通して成長してもらいたいと願います。
今日はこのあたりで失礼します。