折々に思うこと その6
残暑の中、2学期がスタートしました。 30年くらい前までは、9月も中旬を過ぎると、日中は、まだいささか暑いものの、蒸し暑さは薄らぎ、日陰に入るとひんやりとした風が吹き抜け「ああ、秋がやって来たんだな」と心地よい気分になったものです。
金木犀の甘い香りが漂い始める時季でしたが、その芳香も、今ではあと1か月程しないと味わえなくなりました。
ただこの残暑の中でも、彼岸花が田んぼや畑のあぜ道に咲き始め、緑と赤の鮮やかなコントラストをつくっています。
さて、鳴鼓幼稚園も、9月の活動計画に沿って回り始めました。
火曜日は年中さんが近くのスイミングスクールで水と楽しく戯れます。
年長さんは水曜日です。木曜日は、外部からの講師を招いて、全学年体育教室をします。
中旬には、8・9月生まれの子ども達のお誕生会。
各クラスが工夫を凝らした出し物で祝ってくれます。
そろそろ10月に行われる運動会に向けての練習も始まります。
その他時機をとらえた学年独自の制作活動等もありますので、結構多くのことをこなしています。
これらの諸活動や行事を通して、まずは少々の負荷には負けない健康な体をつくってほしいと思います。
健康な体は人生を生きていく土台です。
また、これからの生活で必要な生活習慣や技術(会った時の挨拶、感謝・謝罪の言葉、身の回りの整理整頓、箸の使い方、ボタンのかけ方・外し方、服の着脱の仕方等)を、家庭と連携して体得させたいと思います。
さらに、集団生活の中での自分の居場所の見つけ方、あの子と友達になりたいときの接近方法、友達とトラブルを起こしかけた際の折り合いの付け方等の知恵を身に付けてほしいです。
本園の先生達は、行事の目標達成とともに、上記の力を育てようと頑張っています。
実りの秋が終わる12月の終業式には、心身ともに一皮むけた姿を見せてくれることを期待しています。
ところで、私も、60数年前は園児でした。記憶にある私の自画像は、いつもハナを垂らしている姿。
垂らしたハナを制服の袖口で拭くものだから(ハンカチなど持っていない)、拭き取ったハナが乾いて袖口がキラキラ光り、ゴワゴワに固まります。
すると家で飼っていたウシ(当時は農耕用としてウシを飼っていた)が、長い舌を伸ばして私の袖口をやたらと舐め回すのです(ウシは塩分を求めていたらしい)。
幼稚園の昼は弁当でした。園に水道はありません。一応手は洗います。
園近くの川に走って行って洗うのですが、洗い場はかなり混雑します。
洗っていると、我先にと急ぐ後ろの子達からの圧で背中を押され、川の中にドボーン。
5,6回はそういう目にあいました。
園は、経営するお寺の住職さんの奥さんである園長先生と、若い独身の美人の先生の2人体制。
その若い先生にほのかな思慕の情を抱いていたと記憶しています。
少しませていましたか。
おおらからに育ててもらった幼年時代でした。
鳴鼓幼稚園のかわいい子ども達も、人に揉まれ、多くの体験を積み重ね、人としての確かな土台をつくってほしいと願います。
豊かな経験に勝るものはないようです。